技術報告書の実験・試験の項目に抜け漏れが多い

公開日: 2025年12月15日 | 最終更新日: 2025年12月15日

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技術報告書の記載漏れは画像と動画の記録で防ぐ

 

技術報告書は製造業企業に勤務する技術者であれば、
当然のように作成できなければならない最低限の業務成果物のひとつです。

 

 

その技術報告書の中で、若手技術者が技術業務として何を行ったのかを記録として記述するのが実験・試験の項目です。

 

 

今回は若手技術者の作成した実験・試験の項目で、抜け漏れが多いという課題について考えます。

 

 

 

 

 

技術報告書作成の重要性

 

技術報告書を何故作成しなくてはいけないかについては、
何度も述べています。

 

 

原因究明の高速化、不要な業務のやり直し、若手技術者の教科書の提供という3点が、
技術報告書作成の意義です。

 

 

これについては過去のコラムでも取り上げています。

 

 

 

※関連コラム

 

何故、技術報告書作成が必要なのか

 

 

 

どのような時代になろうともこの重要性は不変です。

 

 

 

 

 

技術報告書における実験・試験の項とは何か

 

技術報告書における実験・試験の項を記述するにあたり、
理解しておかなければならないのはその狙いです。

 

 

実験・試験の項の狙いは、

 

「何を行ったのかを読み手に説明し、読者が同じことを再現できるようにする」

 

ことにあります。

 

 

前出の通り、技術報告書には明確な役割がありますが、
一つひとつの項を見ていくと別の役割も含まれていることを感じていただけるかもしれません。

 

 

実験・試験の項は”再現”という単語が使われていることから、
技術の伝承の意味合いがあるのです。

 

 

大変重要な項目であることを理解いただけるかと思います。

 

 

 

※関連コラム

 

技術の伝承 に必要なものは何か

 

 

 

 

 

技術報告書の実験・試験の項目は技術業務前に作成できる

 

知らない方も多いようですが、

 

「技術報告書において実験・試験の項は、実際の実験や試験の”前”に作成できる項目」

 

です。

 

 

 

むしろ、実際に手を動かす前にこれが書けていないと、

 

「実験や試験の失敗のリスクが高まる、最悪の場合怪我をする」

 

といったことが起こりかねません。

 

 

 

技術評価計画書は技術報告書の実験・試験の項目の内容にそのまま流用できる

 

実際に技術業務として例えば技術評価を進める前に実験・試験の項目の記載が可能というと不思議かもしれませんが、
そもそも技術業務の開始前に技術評価計画書を作成することを考えれば、
ごく自然のことであると感じるのではないでしょうか。

 

 

予め何をやるのかを決めておかないと、
記述の通り失敗のリスクや、最悪の場合怪我をすることもあります。

 

 

技術評価計画書を作成できれば、その時点で実験・試験の項目の記載は概ね終わりです。

 

 

 

実際に試験や実験を進める中での加筆修正は起こり得る

 

実際に評価を進めるにあたり、既に立てた計画を加筆修正したいと思うこともあるでしょう。

 

その場合は計画を加筆修正し、その理由も記述しておきます。
必要に応じてリーダーや管理職がそれを確認します。

 

若手技術者がこの加筆修正を行う場合、このような確認は不可欠だと思います。

 

経験が浅い故、誤った加筆修正を行う可能性もあるからです。

 

 

 

技術評価計画書は現在形で記載するため、実験・試験の項に流用する場合は過去形に修正する

 

技術評価計画の内容を技術報告書の実験・試験の項に流用するにあたっては、
ひとつ手間をかけなければならないことにも注意が必要です。

 

代表的なものが、

 

「時制の変更」

 

です。

 

 

計画書はあくまで計画なので現在形で記載します。

 

しかし、技術報告書の実験・試験の項に記載されたことは”過去の事実”なので、
必ず過去形で記載します。

 

 

ここのひと手間は不可避といえます。

 

 

 

※関連コラム

 

若手技術者の暴走や立ち止まり回避に効果的な 技術評価計画

 

 

 

 

 

若手技術者が記述した実験・試験の項目には抜け漏れが多い

 

技術評価計画書をきちんと作成したことは前提として、
技術評価をはじめとした技術業務が終わり、若手技術者が技術報告書を作成したとします。

 

 

しかし、実験結果を見ると実験・試験の項目に無い結果が記述されており、
技術評価計画書と異なる業務を行った可能性があるということも珍しくありません。

 

または実験・試験の内容に対し、明らかに違和感のある結果が示されていることもあるでしょう。

 

こうなると折角行った業務も、
どうしてその結果になったのかを考えるための前提情報となる実験・試験の情報が不足するため、
リーダーや管理職はその内容を技術チームとしての成果として生かしにくくなります。

 

 

若手技術者は実務に取り組むのに精一杯で、
例えば技術評価計画から外れたことをやったとしても、
すべてを記録できていないことは珍しくありません。

 

これが抜け漏れです。

 

 

 

ではこれを防ぐためにはどうしたらいいのでしょうか。

 

 

 

 

 

抜け漏れを防ぐには画像と動画を併用するのが最適

 

抜け漏れを防ぐことに対して効果的なのが、

 

「画像と動画の併用」

 

です。

 

 

 

設備の設定条件は、設定が終わった時点でパネルを画像として残しておけば、
一つひとつメモを残す必要はありません。

 

または印刷して実験ノートに貼り付けるのも一案です。

 

 

 

そして実験や試験を進めるにあたり試行錯誤をしながら条件の最適化をする場合、
それを一つひとつ記録するのは大変な場合もあるかと思います。

 

その場合は動画を活用して条件設定の様子とその結果を残しておけば、
後で技術報告書の実験・試験の項目に記載することが可能となります。

 

 

 

 

 

本コラムに関連する具体的な技術者育成支援の例

 

技術者育成コンサルティングとして対応します。

 

最初に行うのは技術評価計画書のテンプレート導入です。

 

 

基本構成の説明とその記述方法をお伝えします。

 

 

加えてリーダーや管理職には、当該書類の確認・添削方法を指導します。

 

 

 

画像や動画を使った記録方法については、
技術評価計画書の確認の時点で作成者である若手技術者に指示を出すことが肝要であり、
その指示方法のポイントをお伝えします。

 

上記については、実際の技術業務を使ったOJTでの技術者育成支援が主となります。

 

 

 

 

 

まとめ

 

技術報告書作成は技術者として当然の業務ですが、
その中身の質を高めるという取り組みも不可欠です。

 

 

特に実験・試験の項目は結果と1:1になる内容でなければならず、
ここに抜け漏れがあると取得経過不明の結果が突然現れ、
その技術データは使えないということにもなりかねません。

 

 

 

このような事態を避けるためにもリーダーや管理職は、
実験や試験業務全体を画像や動画を併用して記録を残し、
後から振り返られるよう準備することを若手技術者に指示することが重要です。

 

 

 

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