成果主義 で技術者を評価できるか

技術者成果主義

 

成果主義で技術者を評価することは可能なのでしょうか。

 

クライアント様からよくきかれることの一つです。

 

人の評価というのは本当に難しいです。

今日は、技術者の評価について考えてみたいと思います。

 


今の政府を初め、「成果主義」(もしくは、実力主義)という言葉がもてあそばれています。

※参考URL
http://mainichi.jp/opinion/news/20140424k0000m070129000c.html


しかしながら技術者育成研究所は、

技術者を成果主義という言葉を使って評価するのは難しいと考えます。

そこで、研究開発部門に所属する技術者を評価対象と仮定し、技術者の評価についてご説明していきたいと思います。


技術者育成研究所の考える技術者の評価で重要なのは以下の3点です。

 

1.何を持って評価すべきかという指針が示されているか

2.評価を行う人間が技術をわかっているか

3.第三者の専門家による評価を受けているか

 

 


順番に説明していきます。

 

 

1.何を持って評価すべきかという指針が示されているか

 

事業の内容によって、評価すべきポイントというのは少しずつことなるのが普通です。

このため、可能な限り”具体的”に評価指標が示されていることが重要です。

そもそもの評価基準がはっきりしない状態で、従業員を評価するのは困難です。


あまり好ましくない評価指標として、


– 評価指標が抽象的: 拡大解釈や誤解を招く評価があると評価精度は下がる


– 評価項目が多すぎる: 必要以上に項目を増やさない。項目が多すぎると、評価側の負担が大きくなり精度が下がる。


といったものがあります。

 

まずは、自社として各領域についてどのような理想像があり、その理想像に近づくために評価したい指針をきちんと示すことが出発点です。

 


2.評価を行う人間が技術をわかっているか

 

技術者は技術を評価してもらえることでモチベーションが上がります。

どのような評価指針を示すかにもよりますが、

技術者の評価には必ず技術の観点からの評価が入っているはずです。

 

この時に、技術に関して全く分からない人間が評価してしまっては、技術者の評価でとても大切な専門性評価が困難となります。

 

専門性は完全に一致していなくてもいいのですが、技術者としての話をきちんと聴き、それを評価できるような人間を評価者にしておくことは重要です。

 


3.第三者の専門家による評価を受けているか

 

実はこれが極めて重要です。

評価を社内だけで行おうという考え自体に限界が来てるからです。


社内の人間は、評価される側の人間のことはもちろん、社内の状況などをよく理解しています。


そのため、感情論を含めた、いくつかの偏見を持って評価せざるを得ません。このような偏見は無意識に持つことが多く、本人が気が付かないことさえあります。


このような状況で効果を発揮するのは第三者による評価です。


技術力を示す第三者評価の典型としては、査読のある科学誌への論文掲載などがあります。
科学誌の査読は、完全に独立した第三者の専門家によって行われるためその人の専門性を客観的に評価するにあたりとても有効です。


また、技術者育成研究所が行っているように、技術の分かる第三者がその会社の従業員の評価をサポートする、いわゆる技術者評価の部分的アウトソーシングという考えもあります。

こちらは、多くの技術者を見てきたプロの目から見て、会社に貢献できそうな人員を社内のしがらみなしに客観的に評価を行うというものです。

 

 

この様に技術者の評価というのは、「ぶらさず」そして「客観的」に行うことが求められます。

 

それに加えて技術者は、「専門性の評価」をとても重要視するため、この被評価者の期待を裏切らないよう専門性評価にも注意を払うことが重要です。

 

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