若手技術者の視線が 内向き で技術情報収集できない Vol.122

 

 

若手技術者の視線が 内向き で技術情報収集できない場合は担当する業務に関連するニュース記事や文献等を紹介する

 

Photographed by Oladimeji Ajegbile

 

 

若手技術者は日々の業務推進に精一杯であることが多く、
なかなか 内向き の状態から脱せず、外に目を向ける余裕が無いのが一般的です。

当然、マネジメントとしても目の前のこともできずに、
目移りしているようだと業務推進に支障が出る懸念があるため、
あまり情報収集ということについて良いイメージを持つことは少ないようです。

 

 

しかしながら外の情報、特に技術情報を収集するという習慣を若いうちにつけておかないと、
今後の技術者に必須のスキルともいえる、

 

「技術情報発信」

 

がみにつかないという弊害が生じます。

 

 

 

技術情報発信力は情報収集という習慣をベースにルーチン化できる

技術情報発信力に基づいた情報発信型マーケティングは、
技術者しかできないマーケティング技術といえます。

 

この辺りの重要性は以下のコラムでも述べたことがあります。

 

※ 在宅勤務 の技術者に求められる成果とは
http://engineer-development.jp/column-2/stay-home-work-contribution-to-company

※ 技術者に自社製品やサービスを対外的に説明してもらう際の留意点
http://engineer-development.jp/column-2/marketing_product_service_keynote

 

 

技術情報発信型マーケティングは今後の企業の生き残りに必須ともいえるスキルの一つで、

 

「技術情報をわかりやすく発信する」

 

 

という基本に基づき、

 

 

 

「自社技術でどのような課題解決ができるのか」

 

 

 

ということを社内外に訴求することを柱としています。

 

 

ただこのようなスキルは一朝一夕でみにつくのではなく、

 

 

「技術情報を常にインプットする」

 

 

という

 

 

「技術情報に対する収集意欲」

 

 

が習慣化されていないとなかなか形にできません。

 

 

 

 

当然ながら技術情報を発信するためには、

 

 

「自らの技術情報を常に更新、蓄積することによるデータの加算」

 

 

が無ければ、情報発信するための題材が無くなってしまうからです。

 

 

 

言い換えれば常に新しい技術情報を収集している、
ということを習慣化できていれば、
その内容を発信するというところまでを一連の流れとして習慣にできるのです。

 

 

 

技術情報収集するという習慣は若いうちにみにつけるか否かで将来が決まる

ここが大変重要なところです。

 

「技術情報を収集するという習慣を若いうちにみにつけられるか否か」

 

 

ということが、その後の若手技術者が技術情報発信型マーケティングをできるか否かの大きな分かれ道になります。

 

年齢を重ねてから技術情報発信力をみにつけるというのは多大な労力がかかる上、
特に社外に技術情報を発信する場合、
その行為自体が多くの第三者の目に触れるというプレッシャーがかかることから、

 

 

「経験を蓄積してからではリスク回避の思考が優先的になる」

 

 

という判断によって、技術情報発信に目をむかせるのはかなり難しくなります。

 

 

逆に若いうちから間違えながらでも技術情報を社内外に発信するということを経験しておけば、
どのようなことに留意し、どのような技術情報を出せばいいのか、
という感覚がわかるようになります。

 

 

当然ながら若手技術者はまず目の前の仕事をきちんとこなし、
マネジメントの求めるアウトプットを出すことにあります。

 

しかし、それだけでなく+αで少しずつでも技術情報を収集し、
それを発信するというトレーニングをしておくことが重要です。

 

 

 

若手技術者が技術情報収集力を高めるきかっけを与える

ではどのようにして若手技術者の技術情報収集力を高めれば良いのでしょうか。

 

 

「○○について調べておけ」

 

 

という丸投げのような指示ではなかなか的確な技術情報を収集することは困難でしょう。

 

 

 

こういう時に効果的なアクションの一つが、

 

「マネジメントが担当する業務に関連するニュース記事や文献等を紹介する」

 

というものになります。

 

 

 

若手技術者が今取り組んでいる業務に関連する文献が理想的ですが、
文献はある程度専門知識があって内容が理解できるという前提もあるため、
まずは業界ニュースでも構いません。

 

 

このような技術情報収集のヒントになるものを少しずつ紹介するのです。

 

 

 

これを繰り返すことで、

 

 

「こういう技術情報を収集すると、新たにこういうことがわかるのだ」

 

 

という感覚がでてきます。

 

 

 

同時に

 

 

「今回提供した技術情報について、チーム内で展開してくれ」

 

 

と指示します。

 

 

 

これこそが、

 

 

「技術情報発信のトレーニング第一歩」

 

 

となるのです。

 

 

 

技術情報発信の根幹は技術報告書で培われた文章作成力

最後に忘れてはいけないことを述べます。

 

 

技術情報発信型マーケティングは、

 

 

「活字による技術情報発信」

 

 

が基本です。

 

 

すなわち、

 

 

「技術文書作成力がその基本になっている」

 

 

という紛れもない事実があるのです。

 

 

 

 

若手技術者育成の基本は文章作成力にあると何度も述べていますが、
結局のところ文章できちんと伝えられないと、
技術情報発信はうまくできないのです。

 

 

 

よって、日々の業務の中で

 

 

「行った技術評価は技術報告書という形でまとめる」

 

 

ということができているというのが基本となります。

 

 

 

多くの技術者が回避したい労力のかかる文章作成力の鍛錬が、
技術情報発信力の基本にあることをマネジメントも忘れてはいけません。

 

 

 

 

 

 

 

技術情報発信型マーケティングはこれからの製造業企業の生き残り戦略の一つとも言えます。

 

 

しかしそのスキルは簡単にはみにつきません。

 

 

若手技術者のうちから技術情報収集を習慣化し、
それを社内外で発信する一方、
技術情報発信精度を高めるために技術報告書を通した文章作成力を鍛錬する。

 

 

このような地道なことの積み重ねで、
企業の技術は強靭化し、新規顧客開拓力につながっていきます。

 

 

新たなマーケティング戦略を求めているマネジメントの方々にとって、
参考になれば幸いです。

 

 

技術戦略支援事業

⇑ PAGE TOP