難解 な若手技術者の技術報告書

公開日: 2016年3月26日 | 最終更新日: 2022年3月1日

タグ: ,

無題

 

技術報告書の大切さは何度も述べているので認識されてきてはいるのですが、
そもそも書かせたものの内容の意味がわからない、つまり 難解 である 
というケースが非常に多いようです。

原因の一つとして真っ先に挙げられるのが、

「文章作成力不足」

です。

当然ながらこれは一因であることに疑いの余地はありません。

文章作成力を鍛えるのに最重要なのは文章を作成するという「経験」です。

ところが、ここで忘れられがちなことが一つだけあります。

それは、

「そもそもなぜこの報告書を書かなくてはいけないのかという”背景”に関する説明が不足している」

ということです。

自分でテーマやプロジェクトを動かすレベルにあれば、

「自分で考えていることなので、背景含めて理解している」

というのは当然のことです。

しかし、若手技術者の多くは、

「これやっておいて、あれやっておいて」

といわれとりあえず仕事を進め、その上で、

「報告書書いて」

といような仕事の振られ方をしているかもしれません。

そうすると、やったことを何となくまとめることはできたとしても、

「何故これをやったのか」

「この結果によって得たいものは何なのか」

というところまで思考が到達することは困難です。

これを能力不足と判断するのはやや勇み足というべきです。

特に多くの仕事を振られている場合、自分自身の処理能力が不足し深いところまで考える余裕がなくなります。

そこに追い打ちをかけるように、

「報告書の内容が意味わからないぞ」

と失跡しても若手技術者を追い詰めるだけです。

それよりも、

「今回やってもらったことは、こういう背景があって、こういうことを知りたいためにやってもらったことである」

ということを報告書作成前にきちんと説明することが重要です。

これにより、若手技術者を指示している指導者と同じ思考回路に近づいてきます。

こうなって初めて、

「文章作成力はどのくらいなのか」

ということを議論できるようになるのです。

技術報告書を書かせる前の背景説明。

是非、日々の業務の中で心がけてください。

技術者育成に関するご相談や詳細情報をご希望の方は こちら

技術者育成の主な事業については、以下のリンクをご覧ください:

技術戦略支援事業

⇑ PAGE TOP