早い段階で組織外の人間とやり取りをできるようにする

公開日: 2015年1月12日 | 最終更新日: 2015年1月10日

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外部とのやり取り

技術者は基本的に内にこもりがちな傾向があります。

これでは、仕事内容も独りよがりもしくは1組織に依存したやり方が多くなり、
新しい技術が生まれにくい「ジリ貧」状態におちいりがちになります。

 

こうならないよう、早い段階で組織外の人間とやり取りできるよう若手技術者を育成することが大切です。

 


外部組織の人間とのやり取りをするにあたり、特に集中的に育成すべき点は、


「精度が高く、内容が深い技術情報を入手する」


ということです。

 


自社技術で利益を生み出す製品まで完結することが困難な昨今、複数組織の技術を組み合わせることは研究開発ではあたり前になりつつあります。

 

このとき、ある必要な技術がわかっており、その技術を持つ企業や組織と組もうと考えたとき、重要なのは「技術情報の入手」です。

 

この「技術情報の入手」を若手技術者が早い段階でみにつけることは、技術者指導者層が業務を分担して自分の時間を捻出しようとするとき、とても重要なスキルとなります。

 


このような情報収集力をみにつけさせるために、具体的にはどのような育成手法をとればいいのでしょうか。

 


順を追って説明します。以下は、技術者指導者層が若手技術者に何らかの技術情報を入手してもらいたい場合を想定しています。

 

1.入手したい技術情報の概要、理由といった指示事項を「文章」を用いて説明

(理由)口頭では指示の漏れや誤解が生じる可能性がある。文章であれば若手技術者が自ら復習できる。

 

2.相手に提供可能な、こちら側の技術情報のガイドラインを「文章」で説明

(理由)相手から有力な技術情報を引き出すには、こちら側もある程度の情報を提示することが必要。
どこまでなら話してよいのか、という点を明確化しておくことは、若手技術者の安心につながる。
そして、文章にしておくことで上述同様、漏れや誤解のリスク低減と本人の復習が可能となる。

 

3.判断に迷ったときは、持ち帰ります、ということを言い聞かせる

(理由)若手技術者は、任せられるとすべて自分でやろうとしてしまう習性がある。
わからないことや判断できないことは、持ち帰ります、といえるよう理解させておく。

 

4.出張や打ち合わせは、最初から若手技術者に任せる

(理由)はじめに上司が一緒に付き添ってしまうと、若手技術者が話をするペースを作りにくくなる。
入手したい技術情報と提供していい情報を明確化した後は、本人にやらせてみる。
ほかに助けがおらず、自分で何とかしなくてはいけない、という状況こそ、当人にとってもっとも有意義な経験となる。

 

5.打ち合わせや出張の議事録や報告書を次の営業日までに必ず提出させる

(理由)どのような話をしてきたのか、入手できた技術情報は何なのかということを客観的に若手技術者が理解するには、自分で報告書を書くしかない。この報告書を上司が確認することで若手技術者の仕事の進め方を技術者指導者層が理解し、必要ならば助言を与える。また、情報には鮮度が重要であるということを若手技術者に認識させにも報告書をきちんと出させることが重要。

 

 

上述した1から5のステップを繰り返させることで、若手技術者も自分で技術情報を的確に入手できるようになってきます。

 


若手技術者が外部の人間とのやり取りに慣れ、的確な情報を入手できるようにさせることは、組織での仕事の効率化にきわめて重要です。


職場で実践していただければと思います。

 

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